コラム

No Code Japan主催第一回ノーコードハッカソン結果発表「アイディア着想から実現までをどれだけ短くできるのか」

ノーコードハッカソン

昨今、ノーコード開発プラットフォームが世界的な熱気を帯びています。今年の2月にGoogleがノーコード開発プラットフォームのAppSheetを買収した他、今月24日、Amazon Web Services がノーコード開発のプラットフォームAmazon Honeycodeをリリースするなど、開発効率を格段に向上させるノーコード開発は、IT業界の最注目のトピックのひとつであると言えます。

IT業界が根底から変わる、日本人の知らないノーコードアプリの衝撃」でも紹介したように、先日、日本初のノーコードアプリのM&A案件が生まれるなど、日本でも着実な盛り上がりを見せており、今月15日から18日にかけて開催されたNo Code Japan主催のノーコードハッカソンでは、多くの開発者が参加し、数々の魅力的なアプリが生まれました。

今回のノーコードハッカソンは、開発期間が数日しか与えられていなかったのにも関わらず、受賞作品のクオリティの高さには目を見張るものがあり、ノーコード開発者たちの活発なコミュニティ活動と相まって、日本でのノーコード業界の未来を期待させるものとなりました。

No Code Japan主催ノーコードハッカソン

ノーコードジャパン

今回のノーコードハッカソンを主宰したNo Code Japanは、ノーコード開発を日本で広めるために設立され、ハッカソンの他、ノーコード開発者たちが質問や情報交換を出来るプラットフォームNo Code Forumを提供しています。

No Code Japanの設立者のノーコード博士は、連続起業家として数々の事業を売却してきた他、政府公的機関にて技術顧問を務めるサイバーセキュリティの専門家として知られています。先月、SPOTTOを株式会社For A-careerに売却し、日本初のノーコードアプリ買収案件として、海外でも話題を集めました(Twitter:@nocodehakase)。

ノーコード博士

「世界中でノーコード界隈が盛り上がっているといっても、まだ知っている人、取り組んでいる人は一部じゃ。色々な人が参加できる枠組みを準備していくことで、自分のアイディアが実現してカタチになっていくまでのスピード感と感動を出来るだけ多くの人に共有したい。

こうした活動を続けていくことで、日本でも優秀なプレイヤーが育つはずじゃ。プラットフォームが活性化し、より使いやすくなるためには、優秀なプレイヤーの存在は必要不可欠じゃ。

日本で優秀なプレイヤーが育ち、様々な企業がオープンマインドで繋がる環境が出来れば、日本のスタートアップ界の盛り上がりにも繋がると思い今回のハッカソンを実施したんじゃ。」

Twitterで選ばれたアイディアを骨子に、開発者たちが超高速で開発

ノーコードハッカソン

今回のノーコードハッカソンは、まずはじめにアイディアソンが開催され、その中から選ばれた3アイディアを骨子として、各開発者がアプリを開発するという形式で行われました。

まず行われたノーコードアイディアソンでは、自分の思いついた面白いアプリを、#ノーコードハッカソンのハッシュタグと共にTwitterでつぶやくだけというもので、その手軽さも相まって数多くのアイディアが寄せられました。

審査員には、ノーコード博士の他、株式会社For A-careerの代表取締役の浅尾洋伸氏と株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」を運営する株式会社日本クラウドキャピタルの代表取締役COOの大浦学氏も参加しました。

アイディアソンで選ばれたのは以下の3つです。

定年退職後のシニア人材の人材紹介アプリ

熟練ゲーマーから指南を受けれるアプリ

孫にお小遣いをあげられるアプリ

ノーコードハッカソン受賞アプリ

続いて行われたハッカソンでは、上記のアイディアを骨子にノーコード開発ツールAdaloを使ってアプリを開発するというもので、以下の3つのアプリがそれぞれ博士賞、M&A賞、FUNDINNO賞を獲得しました。

博士賞「げ〜まりん」

自分の好きなゲームの師匠を探せるアプリ

褒賞:Adalo Expert 受講権利2500$
開発者:Yuiさん

ゲームを教えてもらう人を「師匠」、教わる人を「弟子」、ゲームを教えてもらう講習のことを「修行」として、ドラクエの世界観を意識してレトロな雰囲気に仕上げました。・誰でもひと目で使い方がわかる使い方のページ・師匠を探す機能・師匠に対してスケジュールを送る機能・スケジュールの変更機能・決済機能・スケジュール管理機能を作成しました。…

Yuiさん
ノーコードハッカソン受賞アプリげ~まりん
ノーコードハッカソン受賞アプリげ~まりん
ノーコードハッカソン受賞アプリげ~まりん
ノーコード博士

率直にアプリを触っていて、すごくワクワクしたぞい。テーマがゲームであるように、アプリにもゲーム要素を入れているのも楽しかったぞ。特に「登録」を「冒険者になる」は押したくなったぞ。
Adaloは、デザイン要素を組み込まないと、テンプレ感から抜け出せなくなってしまう。
ターゲットに合わせたデザインをうまく活用し、それを感じさせないところは作者のこだわりが強く感じるぞ。
また、予約した修行が、「終えた修行」に分類されるのと、ゲーム名検索バーの機能を追加すれば更に良いアプリになるじゃろう。
ここに付け加えるなら評価機能をつけてみても良いと思うぞ。
Apple Store, Google play Storeで公開してみてはどうじゃ。(No Code Japanより)

M&A賞「ゲーマーマッチングアプリ」

ゲーマーのマッチングアプリ

褒賞:賞金10万円+【HALTO】10万円相当分 +M&Aチャレンジ権
開発者:あぽとさん

「ゲームを教わる・対戦相手を見つける・チームメンバーを募集するの3種類の募集がかけられるマッチングアプリにしました。bosyuのような使い方で、マッチング後はアプリ内チャット(未完成)か、外部ツールにてやり取りを行います。初心者からプロまで、幅広く利用できるようにしています。」

あぽとさん
ノーコードハッカソン受賞アプリゲーマーマッチングアプリ
ノーコードハッカソン受賞アプリゲーマーマッチングアプリ
ノーコードハッカソン受賞アプリゲーマーマッチングアプリ
浅尾洋伸氏

UIの完成度が高く、ノーコードで作成したとは思えない出来栄えです。デザインセンスを感じます。個人的には、昔からeスポーツ関係には注目しております。と言うのも実はFor A-careerはプロゲーマー二人と一緒に作った会社なんです。
いずれeスポーツ業界にも参入したいと考えていたことも、今回のプロダクトに可能性を感じた理由です。
eスポーツ市場は20年~23年の年間平均成長率は約26%で、5Gの開始により、モバイルのeスポーツが活発化する等、さらにeスポーツ市場の拡大が予測されます。
ローンチする際の、HALTO登録店舗であるゲームセンター等での集客や、その他マネタイズの部分を一緒に考えていきたいです!
応援しております!!(No Code Japanより)

FUNDINNO賞「定年退職者」

優秀な定年退職者を見つけるマッチングアプリ

褒賞:事業計画作成パッケージ(10万円相当)+【FUNDINNO】資金調達サポート権
開発者:NCDerさん

定年退職者マッチングアプリということで、For A Carrerさんをイメージして、B2Cの形で作りました。基本定年退職者を求む企業側(ベンチャー等)がベースの構成になってっます。ページ構成は以下・定年退職者のリスト・お気に入り・チャット機能。・マイページ。…

NCDerさん
ノーコードハッカソン受賞アプリ定年退職者
ノーコードハッカソン受賞アプリ定年退職者
大浦学氏

By NCDerさんの「定年退職者マッチングアプリ」を選ばせて頂きました!すぐにローンチできてしまうのではないかと思えるような出来で、短期間で作られたとは思えなかったです。

アイデアソンでは「小遣いアプリ」に期待していたのですが、収益性や実用面等、総合的に判断させて頂きました。
既に顧問紹介は一般的になっており、副業も認知度が上がってきました。
”定年退職者”という切り口も明確で、需要もわかりやすいです。
あとは実際にローンチする際にtoBのモデルなので、営業や広告が必要になるフェーズ。
そのあたりをどうしていくのか、継続してウォッチ&サポートしていきたいと思っております。(No Code Japanより)

おそらくあなたが過小評価している、ノーコード業界のインパクト

今回のノーコードハッカソンでは

・Twitter上で気軽に参加できるアイディアソンを始めに行ってアプリの骨子を固めた

・ノーコード業界のアーリーアダプターたちによる献身的な活動

という2点が印象的でした。

まず、アイディアソンを行い、筋の良いアプリを運営側が選定したことで、後続するハッカソンの参加者たちは、運営側のディレクションを汲み取りつつも、自身の創造性をアプリ開発に投入することが出来ました。

「このアイディアは筋が良い」という大まかな骨子があれば、開発者たちは、その骨子をもとに開発に集中することが出来ます。結果的に、一週間ほどの開発期間で、ハイクオリティなアプリが数多く生まれ、ノーコード開発のインパクトをより多くの人々が認知することになりました。

また、現在、黎明期ともいえる、日本のノーコード業界ですが、先見性のあるアーリーアダプター達の献身的な活動も印象的でした。

ティム・ウーが『マスタースイッチ』で指摘しているように、過去の主要な情報技術の発展は、大抵、似たようなパターンを踏襲します。インターネットやビットコインの時もそうでしたが、黎明期の新しいテクノロジーを育てるのは、アーリーアダプター達の献身的な活動なのです。

今回のハッカソンでは、TwitterやNo Code Forum上で開発者たちが団体の垣根を越えて、情報交換やアドバイスをしあうことで、建設的なコミュニティが形成されていたことも今後の業界の明るい未来を期待させるものでした。

まだまだ過大評価も過小評価もされやすいノーコード業界ですが、数日間で作られたノーコードアプリのクオリティには、目を見張るものがあります。また、有名サイトやアプリも数日間で完コピが可能にするノーコード開発には、IT業界を根本から変えるインパクトを秘めています。

今後もノーコード業界からは目が離せません。

ノーコード博士

ノーコード業界は、ITがそうであったように「〇〇業界」× 「ノーコード」といった形で、ノーコードがビジネスを成長させる方法の一つとして(現段階では一部ではあるが)確立されていくと思っておる。

もはや、ITをIT業界という言葉では、くくれない状態であるのと似たような感じじゃよ。

(まぁノーコードもITなんじゃがのw)

ワシの身近な動きとしては、Twitterでも投稿したように、まずは有名なサイトやアプリを完コピしたものをテンプレートとして、公開していく予定じゃ。その後は、色々な人が自身の作品や機能、様々なコンテンツを掲載・販売できるようなプラットフォームにしていこうと思っておるぞ。

素晴らしいクリエイター、サービスがたくさん生まれていくような環境作りが、市場の成長、時代の進歩には不可欠じゃ。

そしてその環境作りこそが、いつの時代も、イノベーター達に求められておる役割だと、勝手に思っておるのじゃよ。