【エンジニア採用】エンジニア不足と言われる中、優秀なエンジニアを獲得している企業は何が違うのか

みなさんこんにちは、デカルトサーチ合同会社代表のアモニック・パスカル・ヒデキです。

経済産業省の行ったIT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果によると、2025年には、IT人材の不足人数は42万人に上ると推計されており、ITエンジニアの人材不足は、年々深刻化する社会課題のひとつであると言えます。

IT人材不足

実際に「エンジニアの採用は難しい」という声はよく聞かれますが、これまで14年間に渡りエンジニアの紹介をしてきた私からすると、エンジニアの採用で成功している企業と苦戦している企業とでは二極化が進んでいるという印象です。

そこで今回は、エンジニア採用に奮闘する採用担当者の方向けに

「優秀なエンジニアは転職時に企業のどこを見ているのか」

「優秀なエンジニアを獲得している企業は何が違うのか」

について紹介したいと思います。ある程度の主観は介在しているかもしれませんが、これまで14年間に渡りエンジニアの人材紹介を行ってきた経験が、エンジニア採用の担当者の方々にとっての参考となれば幸いです。

そもそも何故、エンジニアは転職をするのか

はじめにエンジニアの方々がどのような動機をもとに転職活動をするのか考えてみましょう。

Tech総研が「会社を辞めたいと思ったことがある」エンジニア400人を対象に行ったアンケートによると、1位は「給与が上がらなかった・下がった」。2位は「自社では技術やスキルを伸ばせないと思った。」3位は「仕事で理不尽な目に合わされた。」という結果となっています。

エンジニア転職理由
(出典:エンジニアが本気で転職を考えた瞬間

弊社の紹介する候補者も概ね、同じような理由で転職活動を始めます。ただ、優秀なエンジニアの方ほど、常に新しい技術の学習やスキルアップに対して貪欲なため、自己研鑽に関する動機が多い傾向にあります。

【エンジニア採用】優秀なエンジニアが転職時に企業を評価する6つのポイント

エンジニア採用

これを踏まえて、優秀なエンジニアが転職時に企業を評価する6つのポイントについて紹介したいと思います。

1.技術を正当に評価する文化

日本は、技術者が正当に評価されない国だと長らく言われてきました。

NAND型フラッシュメモリを発明した舛岡富士雄氏に対する東芝の対応や、青色発光ダイオードを発明した中村教授の報奨金が2万円だったことなど、世界を驚愕させた技術軽視の例には枚挙に暇がありません。

(参考:なぜ東芝は、利益の9割を稼ぐNANDメモリ開発者を辱めて追放したのか?

昨年も、とあるベンチャー企業から退職代行サービスを使ってエンジニアが一斉に退職し、そのブラックな実態がSNS上で話題となりました。真偽の程は分かりませんが、禍根を残すほどのミスマッチがあったことは非常に残念に思います。

年収の高低も重要ですが、それよりも報酬体系や人事評価の妥当性、正当性の方が重要だと言えます。感情的な評価は論外ですが、形式的な簡易評価や相対評価、利益ベースでの評価(売上にはつながらない基礎研究の軽視)なども不満の火種としてよく挙げられます。

全社員が納得のいく人事評価をすることは不可能ですが、より多くの社員が納得する人事評価制度の構築は、すべての企業にとっての永遠の課題です。まずは、自社の求める人材像を明確化して、評価項目の優先度をつけることから始めてみましょう。エンジニアの評価については、以下のサイトを参考にしてみてください。

(エンジニアの評価制度に関する参考サイト)

エンジニア企業の人事評価の今~Matzさんと考えるエンジニアのための評価制度~

エンジニアの評価制度、他社は一体どうやってるの!?まとめて紹介!

また、エンジニアの技術力評価については、 株式会社VOYAGE GROUP CTOの小賀昌法さんが5分でわかる「技術力評価会」というスライドで分かりやすくまとめているので、是非、参考にしてみてください。

(5分でわかる技術力評価会)

2.柔軟な働き方

皮肉にもコロナ禍により、日本でも働き方改革が加速することになりましが、フレックスタイム、リモートワークの有無は、ほぼ全員が気にするポイントです。特に優秀なエンジニアほど合理性と効率を重視します。会社の規則だからという理由で、不必要に勤務時間を縛るやり方では、優秀なエンジニアを確保することはかなり難しくなります。

そのような企業は”生産性よりも非合理的な慣習を優先する企業”という非常にネガティブな印象をもたれてしまう恐れがあります。

また、今更言うまでもないことではありますが、副業を禁止している企業が優秀なエンジニアを採用することはほとんど不可能だと言ってよいでしょう。

フレックスタイムについては、勤務時間の100%を自身の裁量に任せる必要はなく、必要に応じてコアタイム(必ず勤務しなければいけない時間帯)を設定するといった緩やかな導入のスタイルが一般的です。

厚生労働省は、フレックスタイム制についてまとめているので参考にしてみてください。

厚生労働省「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」

3.成長の機会があるのかどうか

目まぐるしくトレンドが変化するIT業界では、エンジニアは常に自発的に学習を続ける必要があるため、エンジニアとして成長できる環境のある職場が優秀なエンジニアを採用する上で非常に重要です。

とは言え、成長の機会の定義はひとそれぞれです。

将来、PMの経験を積みたいのか、大規模な開発案件にテックリードとして携わりたいのかなどエンジニアのキャリアパスも人によって違います。そのため、どのような切り口から”成長”を考えているのかは、個別にヒアリングをする必要があります。

その人にとって最も自然な形でキャリアパスを描けるような配慮と環境作りは、優秀なエンジニアを採用する上で非常に重要となるので是非、検討して頂きたいものです。

例えば、技術者チームが多国籍チームであることは非常に大きなアピールポイントとなります。各国のトレンドがいち早く入ってくる、多国籍チームの中で切磋琢磨できるといった環境があるのならば積極的にアピールしましょう。

4.どのような組織作りをしているのか

優秀なエンジニアは、非技術部門も含めてその会社どのような組織作り、チーム作りをしているかといった点を見ています。

組織作りには、ティール組織のようなチーム作りもあれば、トヨタ生産方式のように職種を超えた対話を重視するやり方もあり、ひとつの正解はありませんが、採用における主軸のひとつであり、これにミスマッチがあると早期離職のリスクも上がります。

組織の作り方には会社のあり方やビジョンが反映されているはずなので、積極的にアピールするとよいでしょう。

また、Googleは「プロジェクト・アリストテレス」というプロジェクトにて、生産性が高く、効率的な相互関係が成り立っているチームの条件について分析しています。世界中から最高の人材を集めてきたGoogleの組織作りを、是非、一度参照してみてください。

Googleが長年のリサーチの末に発見した、最高のチームを作るためにもっとも重要な事

アマゾンジャパンのPMに聞く「多国籍チームで活躍できる最強の人材の育て方」

5.生産性や成果主義を重んじる文化

優秀なエンジニアほど生産性や成果主義を重んじます。と言うより、生産性の高さ=その人の優秀さと言っても良いでしょう。先ほどの人事評価の項目でも述べましたが、社内で非効率で理不尽なルールがあるとエンジニア採用の活動は水の泡となります。

求人票やスカウトメールを作成するときは、生産性や成果主義を重視していることを積極的にアピールしましょう。

サーバーの保守運用を行うセキュリティエンジニアや短期間で結果が出づらい基礎研究などでは成果主義での評価がしずらく、勤続年数と能力が相関する領域もありますが、成果主義の企業文化が希薄だという不満はよく聞かれるので留意が必要です。

いまだに「経営陣が苦行信仰を持っており、苦労した人間を評価する環境に嫌気がさした」「成果よりも序列重視で未来を感じなかった」といったエンジニアの声をよく聞きます。

長い間、日本の生産性は先進国G7の中で最下位であり、社会問題となっていました。これは採用においても深刻な影響を与えており、2019年のIMD世界タレントランキングによると、日本のタレント誘致力は26位とかなり厳しい結果となっています。生産性や成果主義を軽視する文化が関係していることは言うまでもありません。

企業文化を変えるのは難しいことですが、優秀なエンジニアを採用するためならば、絶対にやるべき事だと言えます。

高度経済成長期からバブル期までの間ならばそれでもよかったでしょうが、今はもうそのような時代ではありません。

生産性と成果主義を重んじる企業文化があることを積極的にアピールすることでエンジニア採用は一段と加速します。

(参考記事)

人口減少時代のICTによる持続的成長

日本の労働生産性G7で最下位 : 日本生産性本部

IMD世界タレント(高度人材)ランキング、日本は35位に後退

6.企業の将来性やビジネスモデル

優秀なエンジニアほどその企業の将来性やビジネスモデルを冷静に評価しています。

「〇〇テックでイノベーションを起こす!」といったように、バズワードを組み合わせて、盛大なポエムを詠むことで採用に繋げようとする企業がありますが、実はあれは危険です。

「社会経験がなく、リテラシーは低いけれど成長の見込みのある」といった新卒や大学生をポテンシャル採用するための採用戦略なのかも知れませんが、逆に言えば、一定以上のリテラシーのある優秀なエンジニアには簡単に見抜かれてしまうので完全に逆効果です。

むしろ、「〇〇テックとか言ってるけど別にコア技術持ってないよね」、「ポエム詠んで錯覚資産作って、やりがい搾取するパターンでしょ」と酷評されてしまうリスクが大きいのです。

数年前までは、調達額の規模やポエムの仰々しさを採用に繋げる演芸が流行っていましたが、そのようにして錯覚資産を作れるような時代はもう過去のことです。

「地球を救う!社会を変える!!」といった外見の煌びやかな企業よりも、「ユーザー課題に真摯に向き合っている」、あるいは「クライアントとしっかり伴走している」といったように地に足のついた経営をしている企業のほうが人材獲得という点においては成功しています。

【エンジニア採用】優秀なエンジニアを採用するための7つのポイント

エンジニア採用

さて、冒頭で述べたように、エンジニア不足が社会問題となっている日本では、優秀なエンジニアの採用に成功している企業と苦戦企業とで二極化が進んでいます。

それでは優秀なエンジニア採用に成功している企業は何をしているのでしょうか。これまでの経験をもとに、優秀なエンジニアを採用するための7つのポイントを紹介したいと思います。

1.ポテンシャル採用の検討

現状、これだけの需給の差のあるエンジニアの採用においては、条件に合う即戦力となる人材とマッチングするのには困難を極めます。

特にAI、ブロックチェーン、IoTといった先端技術領域に関しては、そもそも経験のあるエンジニア自体が圧倒的に少ないため、ポテンシャル重視の採用も検討する必要があります。

そのため採用面接では、「その人が自発的に学習する習慣があるのか」、「新しい技術やフレームワークに対して感度が高いか」といった観点も重要になります。オープンソース・コントリビューションや仕事以外での成果物や最新のフレームワーク・ツールキットを触れた経験について質問してみるのもよいでしょう。

ポテンシャル採用に伴うエンジニア・IT人材の育成に関しては、IPA(情報処理推進機構)のサイトを参考にしてみてください。

2.エンジニアとの連携

非エンジニアの採用担当者からすると、求人票を作るのにも現場のエンジニアとの連携が不可欠です。スキルシートだけでなく、現場のエンジニアはどのような人物像を求めているのか出来るだけ網羅的かつ正確にヒアリングすることでミスマッチを防ぎましょう。

現場エンジニアと連携した採用に関しては、ナイル株式会社の中村拓哉氏が非エンジニアが現場エンジニアを巻き込むスクラム採用という記事にて、分かりやすく解説していますので、参考にしてみてください。

3.外国籍エンジニアの受け入れ態勢を整える。

国内でエンジニアの数が不足しているのならば、外国籍エンジニア採用の準備をするのは、現実的な解決策となります。

情報通信業の外国人労働者の数は、2017年には5万2000人を超え、十年間で約3倍に増加しています(出典:「外国人雇用状況」の届出状況)。

先日もメルカリ社が、積極的に技術部門の国際化を推進しており、2018年の新卒の9割がMIT(インド工科大学)出身者を中心としたインド人エンジニアだったことが話題となりました。

弊社では、これまで数多くの外国籍エンジニアを日本の企業様に紹介してきましたが、日本の文化に深い造詣をもち、即戦力となる優秀な外国籍エンジニアは数多くいます。

外国籍エンジニアの採用に関しては、はじめはハードルを感じる方もいるかも知れませんが、今後、技術部門の強化を目指すのならば避けては通れないと言っても過言ではないでしょう。弊社デカルトサーチでは外国籍エンジニアのリクルーティングに関して長年の実績があります。無料相談を行っておりますので、まずはお気軽にお問合せ下さい。

外国籍エンジニアの採用に関しては以下の二つの記事もご参照いただけますと幸いです。

(外国人エンジニア採用に関する記事)

【外国人エンジニア採用】もうエンジニア不足で悩まない!即戦力になる外人エンジニア採用のメリット

【外国人エンジニア採用】「外国人エンジニアは年俸以外に日本企業のどこを見ているのか?」離職率を激減させる3つのポイント

【外国籍エンジニア採用】即戦力となる外国人エンジニアを惹きつける職場環境作りとは

4.エンジニア向けミートアップに参加する

現役のエンジニアはどのような人たちなのか、転職時にどのようなことを重視しているのかを理解するためにも、エンジニア向けのミートアップに参加することは非常に有用です。

まずはリクルーターとしてではなく、カジュアルに話して見ることで、エンジニアが転職時に何を重視しているのか、どのようなキャリアパスを考えていて、どんな企業で働きたいのかといったことを肌感覚で身につくことでしょう。

採用活動は、エンジニアとのコミュニケーションです。相手起点でのコミュニケーションが出来るようになれば、採用活動も一段と捗ります。

5.発信する姿勢

前述したように採用活動は転職を考えるエンジニアとのコミュニケーションであると言えます。求人票やスカウトメールの作成といった一連の採用活動では「自分たちはどのような会社で、どのような人材を求めるのか」を”発信する”ことを意識することで、流れ作業になりがちな文書の作成も粒度が上がります。

「ラブレターを書くつもりで」といったら大げさですが、書き手の熱意や思いは必ず相手に伝染します。逆に流れ作業で書いた文章は必ず相手に見抜かれてしまいます。発信者としての意識、書き手意識を持つだけでも採用率は驚くほど変わるのです。

(採用担当者向け、求人票・スカウトメールの書き方)

エンジニア採用がぐんぐん進む求人票の書き方

【採用トレンド】人事は黒子をやめ、「届けたい人」目線で情報発信すべし

「なぜ応募率が2.8倍跳ね上がったのか?」採用広報観点でエンジニア採用向けのスカウトメールで響いている部分を科学してみた。

エンジニア採用担当が知っておくべきスカウトメールの書き方の基本

6.エンジニアの目線に立ってみる

ビズリーチ、dodaといった転職エージェントや転職Zのような転職サイトを、転職を考えているエンジニアになったつもりで閲覧してみるだけでも多くのインサイトが得られるはずです。

エンジニアがどのような基準で転職活動をしているのかといったことに加えて、競合企業はどのようなメッセージでエンジニアにしているのかといったことも肌感覚で掴めるようになるため、非常にオススメです。

7.エンジニア採用の前提知識

非エンジニアの採用担当者でも最低限のIT用語を理解していなければなりませんが、「何をどれだけ勉強すればよいのか分からない!」といった方も多いのではないでしょうか。株式会社Casterの@corocn氏が(採用担当者向け)エンジニア採用をする上での基礎知識というスライドを公開しています。非常によくまとまっているので、是非、何度もチェックしてみてください。

((採用担当者向け)エンジニア採用をする上での基礎知識 )

エンジニア採用担当者の方々へ

如何でしたか?今回は、エンジニア採用に奮闘する採用担当者の方向けに

「優秀なエンジニアは転職時に企業のどこを見ているのか」

「優秀なエンジニアを獲得している企業は何が違うのか」

についてまとめてみました。

エンジニアの要望をすべて聞けば問題が解決するというわけではありませんし、採用におけるミスマッチの責任がすべて担当者にあるとも思いません。

しかし、現状これだけの需給のバランスが偏っている以上、十分にエンジニアを確保できていないのならば、ある程度の軌道修正は必要になるでしょう。

まずは出来ることから少しずつ変えていくだけでも採用率は劇的に向上します!

デカルトサーチは即戦力となるエンジニアに強い人材紹介会社として、14年間に渡り、世界中の優秀なエンジニアを日本の企業様に紹介してきました。

リクルーターは、全員が計算工学の修士を持つ、エンジニアであり、エンジニア採用に奮闘する採用担当者様向けの無料相談を行っています。

まずは、お気軽にお問合せください。

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