皆さんこんにちは。日本では年々、外国籍エンジニアの就労数は増加傾向にあり、多様性豊かな多国籍チームを技術部門にもつ企業も増えていきました。それに伴い、弊社には、技術部門の多国籍や多国籍チームのマネージメントに関する問い合わせも増えてきましたが、必要性は感じていても、経験やノウハウがないので不安を感じているという声も多くあります。
今回の記事では、Logstorageの開発を手掛けるインフォサイエンス株式会社のモイセーフ・ロディオンさんをお招きし、多国籍チームのメリットやマネージメント、インフォサイエンスの考えるエンジニアが成長できる職場環境などについてお話しして頂きました。
技術部門の強化のために多国籍化を検討している採用担当者の方や、エンジニアとしてのキャリアを考える方に読んで頂けますと幸いです。
【モイセーフ・ロディオン氏】
ロシア生まれ。インペリアル・カレッジ・ロンドン卒業後、東京工業大学大学院にてソフトウェア工学を学ぶ。卒業後インフォサイエンスに入社。テックリード、プロジェクトマネージャーを経て、現在は製品開発統括マネ
–はじめにLogstorageについて教えて頂けますか?
インフォサイエンスでは、クラウド事業部とプロダクト事業部の2部門でそれぞれ開発を行っています。プロダクト事業部が開発を手掛ける統合ログ管理システムのLogstorageは、あらゆる箇所に点在するログを自動収集し、一元管理するパッケージ製品です。
Logstorageにより収集されたシステムインフラの各ログデータは、インフラの稼働状況の確認や、会社の内部統制に役立てる他、不正が起きた時の調査などにも利用されます。また、近年DXの観点からもデータ活用の重要性が認識されるようになりました。インフォサイエンスではこれまでの知見を活かし、お客様のニーズにあったログデータの活用方法を提案させて頂くこともあります。
インフォサイエンスの職場環境
-プロダクト事業部の業務と働き方について教えて下さい。
Logstorageでは高度な技術を扱っており、技術的にチャレンジングな課題に向き合える環境があります。具体的には、大量データを安全に長期保管する技術、高速検索を支えるインデックス技術と分散技術、高機能なWebGUIを支えるUI/UX技術、高速で安全なログデータの収集技術などです。
技術部門(製品開発グループ)には現在20名程が在籍しており、企画の段階から技術部門で行うため、担当するフェーズの幅はかなり広いと言えます。Logstorageは今年で14年目となる製品であり、毎年様々な機能が追加されています。お客様に言われた通りの機能を実装するのではなく、課題解決の方法を試行錯誤しながら自分達で見出していくという研究スタイルの開発を行っているので、独創性や想像力が活かせる開発環境だと言えます。
お客様はITの専門家であるとは限りませんし、要望の中にはかなりざっくりとしたものもあります。そのため、曖昧な要件に対しても、要件の本質を見極め、自発的に考えて具体的な解決策を提案するという姿勢が求められます。私たちはこれを“曖昧耐性の高さ”と表現しています。
独創的な発想を育む多国籍な環境
-Logstorageのチームには外国籍エンジニアの方も多いのですか?
Logstorageのチームは私を含め25%程が外国籍エンジニアです。日本人エンジニアの市場は昔から競争率が高く、優秀な人材の確保が難しくなっています。技術力の高いエンジニアをひとりでも多く確保するために、外国籍エンジニアの採用も数年前から積極的に行うようになりました。研究開発をする上で、多様な発想があったほうがビジネスの拡大に繋がると信じています。
-多国籍チームを作る上で気を付けていることはありますか?
日本で働く外国籍エンジニアには様々な方がいますが、ほとんどの場合、日本に興味を持ち、日本語や日本の文化を学びたいという方が多いので、日本で働くことを楽しんでもらうための環境作りは意識しています。また、外国籍エンジニアの方が今後日本で働く上で、ご自身の市場価値向上につながるように配慮することも重要だと考えています。
例えば、希望があれば、日本語が苦手でも日本語の会議に参加する機会や、日本語でプレゼンをする機会などを提供しています。このように自らの発信に挑戦することで成長スピードが上がるのはもちろん、組織との一体感が生まれやすくなり、仕事のエンゲージメントも高くなっています。
とは言え、一般的に日本で働く外国籍エンジニアにとっての一番の障壁は言語だというのは否めません。特に責任の大きい仕事に関しては高度な連携が必要になるため、日本語でのコミュニケーションは避けられません。インフォサイエンスでは、バイリンガルなマネージャーやブリッジエンジニアを設けることで、言語の壁が仕事に影響を及ぼすことのないようにしています。
正解はひとつじゃない、エンジニアのキャリアパス
-エンジニアの成長やキャリアについてどのように考えていますか?
先ほどもお話しましたように、Logstorageのチームはお客様の抽象的な要望から課題を抽出し、よりよい解決策を提案するために日々研究しています。各エンジニアには大きな裁量があり、プログラミングだけではなく、様々な業務にチャレンジできる機会を用意しています。これまでの私の経験からすると、エンジニアのキャリアを考えるとき、その人の成長の可能性の幅を広く持つことが重要だと考えています。プログラミングだけをやりたいという人はそれでもよいのですが、興味のある方には、設計や企画といったプロセスにも積極的に参画してもらっています。入社直後でも下流だけではなく全フェーズに挑戦できる会社なので、その人にあった様々なキャリアパスに対応できる職場環境作りには力を入れています。
【統合ログ管理システム Logstorage】
【インフォサイエンス株式会社】
所在地:108-0023 東京都港区芝浦2-4-1インフォサイエンスビル
資本金:1億円
事業内容:
・セキュリティ関連ソフトウェア製品開発
・SaaS型クラウドサービス
・データセンター運用