NoCodeCamp創業者・NoCodeNinja氏と宮崎翼氏に聞く、ノーコード開発の可能性

昨今、ノーコードは、大手メディアでも取り上げられることが増えてきており、ある種のバズワードとなり大きな注目を集めるようになりました。実際にノーコード開発ツールを使ってみて、その手軽さに驚いたという人もいるかも知れません。

とは言え、まだノーコード業界のスタンダードは定まっておらず、適切なツールの選び方が分からない、興味はあるけど何から始めたらよいのか分からないと感じたことのある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ノーコード専門のオンラインサロン、NoCodeCampを主宰するNoCodeNinjaさんと宮崎翼さんに、ノーコードツールの可能性や社会的に与えるインパクトについて語って頂きました。

NoCodeCampは日本初のNoCode専門オンラインサロンとしてDMMオンラインサロンにて発足。月額5,000円のサロンながら会員数140名を超えて盛り上がりを見せており、NoCode専門コミュニティ世界一のMakerpadに次ぐ世界2位の規模で躍進しています。

「ノーコードに興味がある」、「最低限キャッチアップしておきたい」という方は、是非、ご一読ください。

 

NoCodeNinja(@nocodejp)

DMMで日本初の NoCodeサロンNoCodeCampを運営。Twitter、note、Youtubeなど各SNS、メディアにてNoCodeの発信、開発を行っ
ている。
宮崎翼(@tsubasatwi)

DMMで日本初のNoCodeサロンNoCodeCampを運営。エンタープライズ向けIT導入の仕事が多い他、こどものためのプログラミングサークルCoderDojo稲城も運営している。

 

はじめにNoCodeCampについて教えて頂けますか?

NinjaNoCodeCampでは、ノーコード専門オンラインサロンにて【作るを応援する】というコンセプトの下に、開発に必要なプラグインやインフラ周りのサポートを行う他、ノーコード開発者たちが積極的に交流できるコミュニティを提供しています。」

ノーコードに注目するようになったキッカケは何だったのですか?

Ninja「ノーコードツール自体は、昔からありましたが、昨年11月に公開されたノーコードYoutuberとして有名なしんじさんの「メルカリのようなサービスを、10万円で作る方法を考えてみる」という記事を読んで、いよいよノーコードツールが十分に発達してきたのだなと大きな可能性を感じました。その後、NoCode Ninjaとしてサービス作成やSNSなどでの発信を行ううちに宮崎翼氏と出会い、NoCodeCampを設立し、現在に至ります。

ノーコードの受託開発も行っていると聞きますが、どのような反響がありましたか?

Ninja「先日NoCodeCampサロン会員の方の呼びかけで学生専用のノーコードハッカソンを開催することになり、クラウドファンディングでのご支援を募ったのですが(808,000円のご支援、160%超で目標達成)、ご支援者いただいた方に対するリターンとして受託開発を提供したところ大きな反響をいただきました。それに合わせて、ノーコード開発の受託も徐々に始めていった形になります。」

ノーコードの受託開発はどのような案件があるのですか?

Ninja「公開している案件ですと、結婚式準備サービスを提供する「ブラリノ」のサイトはノーコードツールのBubbleで作ったもので、一切プログラミング(コーディング)をしていません。他にもマッチングサイトやECサイトなどが非常に人気です。ノーコードツールはそれぞれ強み弱みがあるので、要望に合わせて最適なツールを選定すれば、クライアント様の求めるものは概ねに実装できます。ただ基本的にノーコード開発は、MVP(Minimum Viable Product)ベースで依頼を受けるため、最低限の機能を実装してから、要望に合わせて順次、機能を追加していったり、API連携をしていくという進め方になります。」

ノーコードだと開発コストも安くなるのでしょうか?

宮崎「ノーコード開発は、開発スピードが圧倒的に速いのは間違いないのですが、コスト削減という点に関しては一概には言えず、要件定義の擦り合わせや基礎設計要素にどれだけ開発工程を割くかによります。例えば、要件定義の擦り合わせに開発工程の50%を見積もっているとした場合、Bubble のようなノーコードツールで実装してしまえば、その工程にかかるコストを大幅に削減することが出来ます。」

Ninja「逆に、開発スピードが速いことは付加価値になる場合もあります。例えば、バイク便は宅配便に比べて配達スピードが速いことが高い配送料の根拠となっています。ソフトウェア開発に関しても同様のことが起こり得ます。納品物によっては、即日で納品できるとなれば、高い費用を払ってでもノーコードで開発してほしいという需要も生まれてくる可能性がありますね。」

ノーコード開発ツールは初心者でも簡単に扱えるのですか?

宮崎「プログラマーとしてアプリケーション開発してきた経験のある人でしたら、即日でアプリケーションを作ることが可能ですが、ITに関して全く知識がないという人が即日で作れるかと言われれば難しいです。ノーコードツールと言えども、条件分岐の概念など最低限理解するべきことはあります。それなりに学習は必要ですが、一般的なプログラミングに比べると学習コストは低いです。実際にNoCodeCampサロンメンバーはITスキルある無しに関わらず、およそ1か月前後でサービスリリースをし、プレスリリースを通じて各メディアからの反響をいただきました
。NoCodeCampコンテストにて入賞した作品の数々は、その代表作です。」

(参考:プログラミング不要でWebアプリを作るNoCodeCampコンテスト、第一回終了&第二回開催中

今後ノーコード業界はどのようことが起こるのでしょうか?

Ninja「ノーコードは、Newspicksや日経新聞でも取り上げられるようになり、ある種のブームのような盛り上がりを見せているので、今後は、ノーコード開発者の母数も増えていき、アプリやWEBサービスは量産されるようになると思います。しかし、アプリ開発の敷居が低くなったとしても、結局のところ、開発の過程というのはサービスを作っていく上で要素のひとつでしかなく、アプリの収益化やマーケティングは別で進めていく必要があります。せっかくアプリを作っても無人島のように孤立したものが乱立してしまってはもったいないので、NoCodeCampでは、ノーコード開発者たちがお互いレビューしたり、交流できるコミュニティを提供し、包括的なサポートをしていきたいと考えています。」

ノーコード開発は開発現場にどのようなインパクトを与えるのでしょうか?

Ninja「ノーコードという言葉自体が強い言葉であるため、過度な期待や誤解を招きやすいものだとは感じています。ノーコードに限ったことではありませんが、何か新しいツールに触れる際には、真贋を見極め、有用な使い方をすることが重要です。経験のある開発者の方で「MVPには便利だな」と言う人もいれば、初心者の方で「自分でも出来そうだから、ちょっと学習してみるか」と言う人もいると思います。いずれにせよ、自分にあった使い方考えながら取り組んで頂けたらと思います。」

宮崎「現状では、プログラミングによる開発で作られたものと全く同じクオリティをノーコード開発で担保するのは難しいですが、同じように動き、同じように評価される可能性があるものをより早く作れるという選択肢が生まれたことは、開発現場に大きなインパクトを与えると感じています。」

 

NoCodeCampの詳細

 

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