コラム

Bridgefy:インターネットを介さずBluetoothで通信可能なメッシュネットワークは、なぜ重要なのか

皆さんこんにちは。皆さんはBridgefyというアプリをご存知ですか?Bridgefyは、インターネット接続を必要とせず、Bluetooth 通信だけでメッセ―ジの送受信が出来るメッセージアプリです。

元々は、野外フェスなどインターネット環境が脆弱な場所で利用や災害時にサーバー障害が生じた際の代用手段として想定されていたアプリですが、昨年、香港で起きた逃亡犯防止条例に反対するデモ活動において爆発的に普及する事となりました。

Bluetoothの通信距離はせいぜい100m程ですが、Bridgefyでは、通信圏内にいる他のユーザーを中継点としてネットワークを形成するメッシュンネットワークという技術を利用しているため、より遠くの端末ともメッセージの送受信が可能なのです。

dataresponse.com

メッシュネットワークは、常時、再接続と再構成を繰り返す仕組みであり、中継地点となる端末のひとつが故障しても、通信圏内の他の端末を使い再びネットワークが構成する事から、政府などの中央集権的な第三者による監視・統制に対して、強い抵抗力があり、また災害時などでサーバー障害が生じた際にも有用だと言われています。

Bridgefy上で通信されるメッセージは暗号化されており、中継点となる端末からは読み取れないため、中国政府の監視下にあるインターネット環境に依存せずに連絡を取り合う手段として、香港のデモ隊たちの間で普及したのです。

またBridgefyは、インターネットがなくてもAndroidおよびiOSのモバイルアプリが使えるようになるソフトウェア開発キット(SDK)を配布しており、インターネットの代わりにBluetoothを利用してデータ通信をする事で、オフラインでもそのアプリが使えるようになります。

昨年、Facebook が約8700万人の個人情報を不正に流出させたとして、約5400億円の制裁金を支払う事となりましたが、この一見は、インターネットにおいて自分のプライバシーを秘匿し続ける事の重要性と難しさも改めて考えさせられる事件でした。

インターネットを利用する上で、検閲や情報統制やプライシーの問題は、常に切っても切り離せない重要な問題です。Bridgefyを始めとしたメッシュネットワークは、インターネットの弊害の面であるこれらの問題に対するアンチテーゼ的な意味合いも持っており、”インターネット上での民主主義”を語る上では非常に重要な技術であると言えます。

これからBridgefyはどのように発展していくのか、今後も注目していきたいと思います。

(Bridgefy公式サイト:https://www.bridgefy.me/

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アモニック・パスカル・ヒデキ
アモニック・パスカル・ヒデキ
フランス生まれ。2003年グランゼコールのENSEAを卒業、2006年東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻卒業。 東京工業大学大学院では古井古井研究室にて、音声認識や自然言語処理の研究に従事。卒業後、英系証券会社での勤務を経て、2007年に弟ジュリアンと共に外国籍エンジニアに特化した人材紹介会社・デカルトサーチ合同会社を設立。日本のIT業界を盛り上げるために、そしてエンジニアのキャリア支援のため日々、奮闘する。